トルコの魔除け「ナザール・ボンジュウ」のこと [雑貨]
ナザール・ボンジュウ(nazar boncugu)
トルコに古くから伝わる魔除けもの。邪視避けとして用いられる、マァ平たく云えばお守りや護符である。ガラス製。職人が一つ一つ手作りしているしているため、その表情も色々。白目の左側に気泡が入ってしまっているが、それもまた一興。ちなみに、ナザールは「目」ボンジュウは「ガラス玉」の意。風聞によれば紀元前には既にメノウ製のナザール・ボンジュウが存在していたという。現在のトルコでも玄関や軒先、車などそこかしこにぶら下がっているようである。
余談(1)邪視(じゃし)
邪視とは、人や物に災いをもたらす目(力)また、その信仰のこと。英語ではevil eyeと云い、悪魔の目、魔眼などと訳されることもある。中近東や地中海において特に多い信仰であり、他にもヨーロッパ諸国、アフリカの一部の地域にも見られる。日本や中国などのアジア圏ではさほどでない。
じー
じろりとこちらを見ている。愛嬌がありながらも何処となく気味の悪くも思える目である。
マァそれもそのはず、邪視除けなのであるから、悪魔をしっかり退散させてもらわなくては困る。愛嬌を振りまくのなら、「福笑い」でもできる業である。
余談(2)魔除けものの色
青や赤、黒、白が多く用いられる。また使われる色には地域差がある。
例えば、青い魔除け物はモロッコ、エジプトなどのアラブ諸国やイタリア、ギリシャなどの南ヨーロッパによく見られる。赤はアラブ諸国や南ヨーロッパ、スコットランドなど。黒や白は南ヨーロッパや南アジアに多い。イタリア、モロッコではこの4色が平均的に使われているようである。(要するに明らかな地域差が見出せなかったということ)
日本では赤いものが多いように思われる。青い魔除けというのは、一寸思いつかない。
至って平凡な裏側
これまた風聞であるが、このナザール・ボンジュウ、実はメデューサの目だという説がある。元々メデューサはリビアで崇拝されていた女神(蛇)であり、のちにギリシャへと伝わっているから、邪視信仰のメッカが中近東や地中海であることを考えると、あながち嘘という訳でもなさそうである。無論、議論の余地は大いにあるが深入りするのは余りに無謀であるから、今回はやめにしておく。それはさておき、するとメデューサは青い瞳であったのだろうか。彼女の容姿については多くの記述があるが、瞳そのものに関しては未だ聞いたことがない。石になった人にでも聞いてみなければ、このところは分からなそうだ。
また注目すべきは彼女の髪が悉く蛇である点。
動物の部分々々を寄せ集めのような姿をした怪物や妖怪は数多いが、蛇の髪とはまた大胆である。
因みに蛇が邪視使いであるという俗信はアジアのみならずヨーロッパやアメリカなどでもみられる。かなりメジャーな俗信である。この俗信が世界各地で自然に発生したにしろ、ひとところから広まったのかは定かではない。しかし、世界各地で共通な認識を持っているのは興味深い。
彼女の髪が蛇であるのは単に奇をてらったのではなく、やはり相応の意味があると見える。
玄関に吊るす
一先ず、吊るしてはみたものの、なんだかしっくりこない。邪視避けのために玄関ドアに吊るしたのに、これは逆に人の視線を集めそうである。外からドアののぞき穴を見ると、彼が応対するように設置したらどうだろう。これは可也、面白そうである。いや、必要以上に来客を追い払ってしまうか。
実際にこの目玉が邪視を睨み返したときには、ぱりんと割れるのだという。身代わりになってくれるのは大変ありがたいが、むしろ割れることのないのを祈るばかりである。
割れた破片が身に振りかかる――そう、実は二次災害の方が恐ろしいのです。
結局、室内に落ち着いたインドアなナザルボン。
参考文献
草下英明『星の神話伝説集』教養文庫
清水芳見「邪視研究の動向」『民族学研究』第48巻
南方熊楠『十二支考(上)』岩波文庫
羅盤にて吉凶を占うこと [雑貨]
東京の暑さはどうも苦手だ。
朝からむっとしているのが嫌だ。
山梨のように朝夕はそこそこ涼しい方が良い。
それに湿度は意外に低いからな。
さて、今回は羅盤(らばん)の話。
ロブンとか、ルーパンと云うこともあるが、まぁ中国の方言の差によるものだからあまり気にせずに。表記は「羅盤」で同じなので。
今日から風水師に
そこらへんの雑貨屋にて購入。580円也。破格の安値である。相場は良く分からないが2000円前後くらいからだと思う。特に高いものはン万円するというから驚きだ。いかにも風水師な道具である。格好と気分だけは一丁前である。
北にあわせてみる
実際に、左斜め上が「北」で右斜め下が「南」である。普通、方位磁石では北を赤い指針が指すようにするのだが、羅盤では逆である。羅盤の赤い指針は南を指すようにできているのだ。何故なのかはよく分からないが、古代中国の五行思想では南は赤とされているので、まぁそういうことなんだろう。
因みに北は黒、東は青、西は白、そして中央は黄色と割り振られている。
(そうすると、北を指すのは黒い指針でなければならないのだが)
この羅盤を買うときに、「北と南を指す向きが逆になっていますのでご了承ください」というメモが貼ってあったが、お店の人はそれが仕様だということは知っていたのか、はたまた知らなかったのか。まぁ多分、後者だろう。だから、あんなに安かったに違いない。
では早速、今住んでいる仮の宿を占ってみることにしよう。
風水では「気」の入り道である入り口、つまり玄関の向きが重要である。
いざ、実占(実践)
な、なんと!どうやら我が渓有亭は北東向き玄関のようである。うすうす、そんな気はしていたが、やはりそうであったか。北東すなわち艮(うしとら)、いわゆる鬼門である。
【鬼門】きもん
陰陽道で、鬼が出入りするとされる不吉な方角。
鬼門の反対方向の南西は裏鬼門と呼ばれ、やはり忌み嫌われる方角。
入り口や風呂、トイレなどを配置するのは良くないと云われる。
古代中国の地理書『山海経』に「北東を鬼門とした」という話があり、おそらくこれが始まりか。
北東から吹く季節風のことだとか、北方の騎馬民族のことを意味しているなど諸説ある。
中国語で「鬼」は幽霊、亡霊という意味。
日本語で云う鬼は「魔鬼」や「鬼怪」とか云うそうだ。
また、人を馬鹿にしていうときにも使われることがあるようだ。
例:酒鬼(のんべえ)、賭鬼(ばくち狂)
余談だが、風水では北から山を越えて流れてくる「気」を南の水で受け止め溜めるというのが理想とされている。この南北軸は生命のエネルギーの出入りする経路であった。そのため、神社の鳥居というのは大抵、南向きなのだという。寺の山門もそうらしい。確かに、南向きは日当たりがいい。太陽に生命のいぶきを感じるというやつだろうか。というより、日本神話にでてくる太陽を神格化したアマテラスに通じる訳か。
マァ玄関が鬼門だからといって別に絶望するような僕ではない。
洒落がきいていて面白いじゃないか、と思わずにやりとする方である。
あの安倍晴明も御所の鬼門にあたるところに住んでいて鬼などが京に入るのを防いでいたというからますますわくわくするというものだ。
結局、家の向きしか測っていないが、どうせ鬼門なのだからいい結果なんぞでない。
「凶」ということで、終わり。
おや、裏鬼門に風呂とトイレが。
くけけけ。
達磨といふもの [雑貨]
夏はどうも駄目だ。うっかり惰眠してしまう(・・;
で、今回は達磨。
僕が大学受験の際に、貰ったものだ。
そもそも達磨というのは、禅宗の開祖である達磨大師のことだ。
達磨の色が赤いのは達磨大師が赤い衣を着ていたことに由来しているという。
と、いってもこれは合格祈願のための達磨である。
お腹のところの「合格」という文字と、鉢巻をしているのが特徴だ。
最近では、達磨もおしゃれに目覚めたのか、黄色や白い達磨もいるようで。
ご当地達磨とでもいうのだろうか。
僕の実家のある山梨には甲州達磨というものがある。
色は白で、腹のところに小さい達磨が描かれているのが特徴。
子孫繁栄を願ったもので親子達磨ともいうのだ。
残念ながら、我が家にはいなのでここで見せられないのが残念(-_-)
ところで、この達磨には目が描き入れられていない。
合格祈願の達磨なのだから描きいれるのが普通なのであるが。
何故か?
・・・達磨に願掛けしたくらいで受かるかッ、と思っていたのでそのままにしていたのだ(汗
で、結果はというと、、ずっこけたのであった。。
今思えば、願掛けしておけば良かったナァー、と(笑
・・・。
このような姿勢に普通はなるものなのだろうか。
達磨は起き上がりこぼしのようなもの?だと思うのだが。
もしかして、不良品・・・なんと罰当りなことを。
達磨のせいにしてはいけない。
来年受験する皆さん、なるべく悔いの残らぬよう、勉学に励むべし。
十分に勉強した上での最終奥義として達磨に願掛けするなら、効果的だろう、きっと(笑
~達磨を買いに行く暇のない方へ~
上の一枚目の達磨をプリントアウトしてご自由にお使いください。
・・・間違っても二枚目の達磨は使わないことをお奨めします。
蚊取り線香といふもの [雑貨]
夏といえば、蟲どもが跋扈する時期である。
蠅や蚊などは勿論のこと、ゴキブリやナメクジ、ムカデまで勢ぞろい。
・・・ナメクジ、ムカデは蟲ではないけれども。
特にゴキブリは興ざめである(+_+
ならば、こちらも結界を張ろうではないか。
いや、正確には煙幕と云うべきか。
・・・いでよ、蚊取りの豚!
どーん。
名称:蚊取りの豚(通称:のぶた)
能力:蟲を殺す程度
特徴:陶器(冬季)なのに夏季限定
・・・何のことはない、ただの蚊取り線香です。
最近では、とんと見かけなりました、多分。
電気を喰らうタイプのものが主流なようで。
火を使わず、匂いもないので手軽に使うことができるのでウケがいいのでしょう。
そのほうが安全だし。
では何故、蚊取り豚を選んだのか?
・・・前時代的なものが好きだから(笑
白い煙を口?から吐き出す姿は何とも何とも・・。
電気を喰らうタイプだと本当に効果があるのか、疑わしく思えてしまうのです。
煙がでていると、いかにも、仕事しているなぁ、という気がして(笑
しかし、殺虫効果があるのは煙ではない、とのこと。
燃焼部分の手前で高温により揮発する化学物質に殺虫効果があるのだとか(ウィキペディアより)
やはりと云うべきか、換気は必要なので注意。
1Kアパートの台所と部屋(六畳)に一体ずつ置いたら、、大変なことになりますよ。
・・・数日間、部屋中が線香臭かったとさ。
また、服からも線香のにおひがただよっていたそうな。
こやつは諸刃の剣ならぬ、諸刃の豚なのであった(・o・;
まやかしの鉛筆 [雑貨]
原題:シャープなペン or シャーペン ?(06/21)
※今は昔、この記事は旧ブログにて書き殴ったもの。
徒然なるままに再掲載っと。(文体が滅茶苦茶だ)
これは鉛筆を模したシャーペン。
シャーペンが鉛筆のコスプレをしたのか、はたまた
鉛筆から進化したシャーペンなのか分からないけど(笑)
姿はどうであれ、シャーペンなのです。
上がシャーペン下が鉛筆。見れば分かるか。
イイところは・・・
やはり鉛筆のような外見だ。
シンプルで無駄のないデザイン(ように思える)
かつ、飽きのこない瀟洒なデザイン。
また、鉛筆というデザインがもたらすノスタルジア。
「・・・あの時ボクは若かった」と思わずつぶやいてしまう(-.-)
それでいて、シャーペンだから削る必要もない。
なんと実用的なのだろう!
しかも、消しゴム付き(普通は使わないケド)
とはいっても、イマイチなところも。
ペンだこができやすい。
これは鉛筆の逃れられない宿命なのだ。
また、鉛筆と同じ太さなのでやはり長時間使うには厳しいものがある。
書く頻度の少ない大学生向き。
で、判定。
「デザイン ∩ 実用性」
シャーペンとしても使い勝手もよく、デザインもいい。
両方のバランスがとれています。
ペンを振ると芯が出てくるものもあるけど、好きになれません。
「ペンを振る」という動作が何故か受けつけないのです。
振るタイプのペンでもノックしてしまう(^_^;)
・・・意外と保守的です。
ちなみに、
シャープペンシルといって通じるのは日本と韓国くらい。
「sharp pencil」は和製英語なんですねー。
「a sharp pencil」では先の尖った鉛筆という意味。
一般的には「automatic pencil」とか単に「pencil」といいます。
アメリカでは「mechanical pencil」イギリスでは「propelling pencil」というんだとか。
「mechanical」とは・・・カッコよすぎです。
カチカチとノックして芯を出す、一種の美学でしょう、きっと(笑)
外国人にコレ見せたら、なんて言うんだろうか・・・?
ブックバンドといふもの [雑貨]
原題:本の楽隊ブックバンド?(06/16)
※今は昔、この記事は旧ブログにて書き殴ったもの。
徒然なるままに再掲載っと。(文体が滅茶苦茶だ)
マンガ(Vo.)、小説(Eg.)、辞書(Ba.)の三人組のバンド
・・・って全く違います。
ブックバンドは本をまとめて持ち運ぶためのバンド、紐です。
使い方は至って簡単。十字型に紐を本にかけてとめ具でとめるだけ。
これを使っている人はまず見かけません^_^;
ボク自身も使っている人見たことないです(自分以外で)
それもそのはず、これは70年代に流行った、もはや過去の遺物なのであります(笑)
当時の大学生は皆これを使っていた、とのこと。
昔、流行ったものが再流行することはあるけど、これはその例外のようで。
その理由をイロイロ考えてみたけど、1番の理由はコレ。
使い勝手が悪い。
取っ手がないからいつも脇に抱えることになる。疲れます。
紐をかけたり外すのに多少時間がかかる。
次の教室まで要ダッシュ。
(当然ながら)雨に弱い。晴れの日専用。
欠点が多いけどイイところもある。
シースルー以上に持ち物が丸見えだから、忘れ物を結構防げる。(と思う)
小脇に抱えられるのには限度があるので、持ち物を厳選し、軽装備にできる。
絵に描いたような瀟洒なお嬢さん、いかにもな大学生になれる(笑)
・・・こんなとこくらいかなぁ。
では判定。
「デザイン>実用性」
追加効果:Speed -2
やっぱり、移動するときに「ちょっとまってよー」ってことが多くなるのがネック。
・・・いつも持ち物が多くて困っている人、瀟洒なお嬢さんを演じたい人、いかがですか?
追記 3月30日
意外にも人気があるようなのでもう少し役に立つような情報を。
ややシックなブックバンド。
東急ハンズ(新宿店)にて購入。この色の他にはモスグリーンがあったが、あまり好きな色ではないので却下。一見すると丸いバックルのベルトのようである。値段は1000円程度だった気がする。
早速、本を括ってみる。
使い勝手は当然ながらいまひとつ。こればかりはブックバンドの宿命であるので致し方ない。本を括るのにちょっとコツがいるが、慣れてしまえば上のブックバンド(青いの)より早く括れる。ただ、もう少し輪っかが大きいとよりよいのだが。
輪っかに幅広な紐をかけるので、多少ぐらぐらするがマァ許容範囲かと。大量の本を持ち歩くときや、本の大きさにバラつきがあるときはバック推奨。当然といえば当然か。
B5などの小さめの本ならば、丸いバックルのベルトを代用してもいいかもしれない。
例えば、ベルトで本を括ってだ、図書館に本を返しに行く。
で、帰るときにはベルト通しに巻けば(本来のベルトにする)なんと、手ぶらで帰れるのだ!
本を借りてくるときはまた本を括ればいい。
・・・などと思ったが、本が傷みそうなのでやめた方がよい。
括るのは自分の本だけにしておこう、皆さんも。
中華扇子といふもの [雑貨]
・・・ここ数日、異常に暑い。
薄着になろうが、髪を束ねようが、暑いのは変わらない。
これだから、夏はあまり好きになれないのだ。
と、愚痴はこのくらいにして。
今日はそんなメランコリーな夏を耐え忍ぶための道具。
中華扇子(勝手に命名)
柄の長さが33cmと大きい。
京扇子なんかと比べると1.5~2倍ほどの大きさといったところか。
これだけ大きいと風量もまるで違う。扇ぎがいがある。
ブウンッと音をたてて扇を開くのも心地よい。
あゝ、涼しい。なんと快適なことよ。
他人に扇がせるとより快適なのだが・・・まぁこれは仕方あるまい。
ただ、一つ注意すべきことが。
暑い部屋で扇子を閉じたままにしておくと・・・
骨と布が分離しておかしな具合にくっついてしまうことがある。
接着剤がいい加減なものなのだ、きっと。
もう一つ。
白い中華扇子は接着剤が変色して見苦しくなることがある。
・・・あなや、いとあさまし(-.-)
白はやめておいた方がいい。
・・・まぁ、これで暑さどうにかするなど、無理な話ですが(^_^;)
扇風機やクーラーとの併用が有効だと思う。