豊栄稲荷神社に行くこと [古社巡礼]
さて今回やってきたのは東京都渋谷区にある豊栄稲荷(とよさかいなり)神社。
前回の金王八幡宮にほど近い、というより目と鼻の先、道一本をはさんだ隣にある神社。
マァ前回の続きのようなものだ。
雰囲気よし
石段は黄色い枯葉のジュータンが敷かれている。ふふん、綺麗だ。前の道路が妙な勾配だ。ええと、道玄坂だったか、うーん、よく分からん。マァ何でもいいか。両側の木が一の鳥居を覆っている。なかなか良い面構えをしている。これは男前だ、きっと。小さい神社のようだが、期待できそうだ。
これぞ稲荷神社
わくわくしつつ、朱い鳥居をくぐって行く。黄色い落ち葉と朱色の鳥居、緑の木々の調和が見事だ。おや、百度石があるではないか(左下)。
百度石【ひゃくどいし】
百度参り(百回参拝する)をするためのもの。この石の上に目印になるものを置き、参拝した回数を数える。いわばカウント計。
ということは百個の目印が必要になるわけだが、あいにく持ち合わせていない。今回はパスだ。
マァそれはいいとして、この百度石に百個も目印を載せられるだろうか。
どう見積もっても厳しそうである。
おまけに天辺は傾斜がついた四角錐ときた。
困ったものだ。
朱づくし
ひっそりと佇む手水舎。奥にはずらりと提灯が。本当に朱づくしだ。どうも血が騒いでしまう。闘牛か、僕は。
やっぱり朱かった
拝殿に到着。見るからに朱い。うむ、朱い。そうとも、朱い。あまりの朱づくしにまいったせいか、感想らしい感想が浮かばない。困ったものだ。
ぼうっとしていると、お狐さまが話しかけてきた。
「ここは、かつては彫外稲荷、田中稲荷などと呼ばれていたのはご存知か?」
「うへぇ、初耳です」
「うむ。もう一つ教えてあげよう。この神社は元々、別の場所にあってな」
「ほう、なるほど。移転したのはいつです?」
「マァ焦りなさんな。たしか昭和36年だったかの」
「完璧ですね。金王八幡宮でいただいた『参拝の栞』通りです」
「なっ、人を試すでない」
「人じゃなくて狐でしょう?」
「ふん、詰まらぬことを云いおって」
たまにはこういうのも悪くない。
13基の庚申塔
ずらりと並んだ庚申塔。全部で13基ある(写っていないが)。どれも延宝二年(1672)から元文四年(1739)までにつくられたもの。戦後、今の場所に神社が移転した際に、周辺にあった庚申塔をここに集めたのだとか。ちなみに奥に見えるフェンスは金王八幡宮の境内。
境内
小さいながらも、なかなか赴き深い境内。朱い鳥居はまだ増えるのだろうか。このままだと拝殿に直結してしまいそうだ。
何処も彼処も
どうにも提灯が多い。ちょうちんおばけが出そうなくらいだ。よくみると、名前が書かれている。なるほど、提灯で奉納するわけか。たしかに、鳥居の奉納はそろそろ限界のようだしな。
境内は小さくても、でっかい信仰心に支えられている神社であった。
夜は提灯に明かりがともるのかしらん。
>>takagakiさん
いつもnice!ありがとうございます。
またのお越し、お待ちしております。
by お北 (2008-01-17 21:40)