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金王八幡宮に行くこと [古社巡礼]

ぼやぼやしていたら、もう12月。
というより、新年間近。
困ったものです。

さて、今回やってきたのは東京都は渋谷区の金王八幡宮。
金王は「こんのう」と読む。「きんのう」ではない。
この「金王」は金王丸常光という人名に由来している。

【金王丸常光】
平安時代末期の武将、僧侶。両親が八幡宮に祈願し続けて霊夢に金剛夜叉明王をみて産まれた子なので、金王と名づけられたとか。出家後は土佐坊昌俊と名のる。源義朝に仕えて保元の乱に参加、大功を建てた。源頼朝の命を受けて源義経暗殺を謀るも失敗、捕えられて散り果てた。

前説はこのくらいにして、さあ行こう。


普通って云うなあ!

鳥居は至って普通な明神系の八幡鳥居。マァ八幡宮だから当然だが。元々は渋谷八幡宮という社名だったが、金王丸の名声にちなんで金王八幡宮に変えたとのこと。ほう。この辺りでは相当な力を持っていたという訳だ。



御神門

通称、赤門。派手すぎない赤色が素敵だ。江戸中期頃に建てられたもので、春日局(徳川家光の乳母)の奉納だとか。それから何度か修理しているらしいが、なかなか綺麗だ。個人的にはかなり好みの御神門である。



手水舎の番人

手水舎には龍が。何とも迫力のある龍だ。しかし、口から水を吐いている姿はちょっと間が抜けている気がしないでもない。ひげがm字になっているのもどことなく可愛い。ちょっと触ってみようか、うーん、誰かがやめろと云っているような気がする。では、やめておくか。



狛犬だ。わりと色黒である。

「そこの軸ぶれ天狗や、龍の逆鱗に触れるところだったぞ、気をつけんか」
「おや、上手いことを云いなさいますナァ、狛犬殿」
「たわけ。まったく最近の輩ときたら……なやましい」

逆鱗とは、龍のあごの下に1枚だけ逆さに生えている鱗のこと。触ると殺されてしまうのだ。
神社では本当に「逆鱗に触れる」ことができるから、気をつけなくては。


拝殿

この御社殿は江戸初期(1612年)に建てられたもの。赤と緑と金色が実に鮮やかだ。龍の装飾や屋根も凝っている。お賽銭も少々はずむ。


(龍神様の逆鱗に触れることがありませんように)

祈願も済んだところで、境内をふらふらしてみる。


金王桜

掲示板によれば、長州緋桜という種類の桜で5~7枚の花弁を持つのだとか。源頼朝が金王丸の名を後世に残そうとして鎌倉の亀ケ谷の館の憂忘桜(うきわすれざくら)を移植し「金王桜」と名づけた、とのこと。江戸時代には郊外三名木として有名だったそうだ。今は区指定天然記念物になっている。マァこの時期に見ても別に面白くもないのだが、春になったらまた見に来ることにしよう。


奥に見えるのは社務所。なんと宮司さん常駐である。
いや、それが本来のあるべき姿なのだが。

折角だ、この神社について色々と話を聞く。
イヤァためになるなる。
由緒書きもいただき、上機嫌。
とても親切にしてくださった宮司さんに感謝千万。




御嶽社と玉造稲荷社。
この稲荷社は鳥居のかわりに旗がずらりと立てられている。
これはこれで面白い。
「玉造」というのは、勾玉のことか。
もう少し深入りしてみたいところだが、出雲まで飛んでしまいそうなのでやめておこう。


神楽殿

拝殿と比べると随分、質素である。毎年9月の15と16日に例大祭が行われてかなり盛り上がるそうである。この神楽殿でも舞の一つや二つとり行われることだろう。



金王丸御影堂

境内のやや奥まったところにある方形の小さなお堂。金王丸を模した木像が安置されている、とのこと。ほう。そういうのって事前に連絡しておけば、見せてくれるんだろうか。やんわり断られそうだが、掲示板などに○○がある、と書いてあれば、やはり見たくなってしまうというものだ。



静かな境内

渋谷駅から徒歩で10分ほどという近さでありながら随分静かである。うっかりすれば、この神社が渋谷にあるということも忘れそうなほどである。しかし、ちょっと上を見まわせば高層ビルだらけ。なんとも不思議だ。


都会の喧騒に負けることなく、すくっと立っている神社であった。






ケフィア。いいえ、勾玉です。
翡翠。いいえ、ソーダライトです。

一度云うてみたかった。
一寸、乗り遅れてますがね。


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お北

>>takagakiさん
nice!ありがとうございます。
また、どうぞ。
by お北 (2008-01-12 16:44) 

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