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出雲大社に行くこと [古社巡礼]

さて、今回やってきたのは山梨県甲府市宝にある出雲大社。
県内唯一の出雲大社とのこと。ほう。

今回は幸運なことに、宮司さんに色々お話を聞くことができた。感謝千万。
そんなわけで今回は宮司さんの語り(括弧内)付き。


社号はどっちだ

実は、よく見ると一の鳥居には“富士神社”と書かれている。しかし、奥にはでかでかと“出雲大社”とある。一体どっちなのだろう?

「元々は、富士神社でした。富士神社ができたのは今から25、26年前です。富士神社というのは、○○教会というものでして」

この場合の○○教会というのはchurchのことではない。
出雲大社教における分祠・分院・教会・講社の布教機関のことらしい。
講社よりも規模の小さい布教機関を教会という。
マァ平たく云えば出雲大社(教)山梨支部ということだ。


ひと安心

二の鳥居はちゃんと出雲大社となっている。まずは、ひと安心。

「祭神は大国主神、そう大黒様です。他に大己貴神や大物主神とも云います。大黒様というと縁結びの神様として有名ですが、これは何も男女の縁に限りません。すべてのもののつながりを司っているのです」

『古事記』では大国主神(オオクニヌシノカミ)、『日本書紀』では大己貴神(オオナムチノカミ)と書かれている。あゝ、葦原醜男(アシハラノシコオ)なんていう呼び名もある。
やれやれ、読む側からすれば何とも面倒な話である。

「例えば、病気に罹ったとします。良い医者に出会うのも縁だし、良く効く薬に出会うのも縁なのです」

ありとあらゆる出会いのため、大黒様は日夜、力を尽くされておられるわけだ。
ありがたや、ありがたや。


さっぱりした拝殿

拝殿は意外にシンプル。特に出雲っぽいという雰囲気もない。ごく普通な神明造りのようだ。出雲大社というと極太の注連縄というイメージがあるが、はて、見あたらない。やや拍子抜けである。


狛犬たち。


ほんで、次に本殿

こちらも割と普通だ。ふむ。拝殿のときにも思ったが、柱などの切り口が白く塗られている。これは何だ?

「はい、それは特に意味はないのですよ。切り口から腐るのを防ぐためです」

防腐のためだったとは、これは予想外。白くて目立つから何か意味があるのだとばかり思っていた。しかし、目立たない色で塗ってもよさそうなものだが。はてさて。





これぞ富士神社

本殿の横にひっそりと佇む富士神社。末社と呼んだ方が良いかもしれない。ところで、この“富士”というのは何だろう。もしかして富士山のことか。すると、浅間神社とも関係してくるのだが。



深読みであった

「富士というのは、この神社を建立した人名です。こちらの像がその富士婦人です」

なるほど、人名か。これは盲点だった。さっきの仮説は脆くも崩れ去った。あははのは。
おや、像には“長田夫志之像”とある。はて、旧姓が富士ということだろうか。うっかり訊き忘れてしまったがおそらく、そうだと思う。



分かりやすい話は続く

「神社には出雲系と伊勢系があります。出雲系は天上界にいる天つ神を祀っています。伊勢系は地上にいる国つ神、あとは人物を祀っていて、ほら、武田信玄を祀っている武田神社もそうです。あと、護国神社なんかもそうです。終戦後は伊勢系は大変だったようです。GHQからかなり狙われたみたいで、例えば山梨護国神社は一時期、山梨神社と名乗っていたそうです。出雲大社は祀っている対象が違ったし、政治なんかとの絡みもありませんから、お咎めもなかったのです」


これは、ちょっと面白い話を聴けたぞ。ふふん。


糸紙垂

「だから、出雲系と伊勢系では形式もかなり違うんです。紙垂?うーん、ここのは普通のです。まぁ紙垂にも色々種類がありまして、あっ、ちょっと待ってて下さい(社務所に行き、しばらくして戻ってくる)如何ですか?これは糸紙垂(いとしで)と云います。ほら、糸みたいに細長いでしょう」

おそるおそる写真撮影を願い出ると、快く許可してくださった。感謝千万。
最初は手に持っていてもらったのだが

「あっ、こっちの方が良いかもしれませんね、画になるでしょう」

と、木の枝に吊るしてくださった。
自分が写されるのがちょっと恥ずかしかったからかもしれない。
色々とお心遣い、有り難うございます。


花のことはあまり存じない

これはあの有名な“難を転ずる”という、南天か。これを見ると、如何にも冬(新春)だナァと思う。おぉ、風が冷たい。なんだかんだでもう一時間近くここにいる。通りで寒いわけだ。では、そろそろお暇いたそう。

などと思いきや、こやつは南天ではなく、ピラカンサスというらしい。
何だか違うような気もしていたが、悪い予感は的中してしまった。
これは恥ずかしい。うへぇ。


こんなに素敵な宮司さんに会えたのも、出雲大社の大黒様のおかげだ。
そう実感させられたけーうであった。どうも有り難う御座いました。




宮司さんにいただいた瓢箪。
さて、どう使おうか。


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お北

>>takagakiさん
毎度nice!ありがとうございます。
またのお越し、お待ちしてます。
by お北 (2008-01-20 11:07) 

けーう

>>はっこうさん
nice!ありがとうございます。
どうぞ、またお越しを。
by けーう (2008-03-18 05:58) 

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